[特集:ダンテ・アンドレオの合唱作品]
ダンテ・アンドレオはアルゼンチン生まれ、1976年からスペインに拠点を置く作曲家です。合唱指揮者として、また古いスペイン音楽の研究家としても知られるアンドレオは、現在ではスペイン合唱連盟の芸術顧問を務めるなど、スペインの合唱界において重要な役割を果たしています。
その作風は、きわめてシンプルなのですが、そこはアルゼンチン出身というバックボーンもあり、ラテン・アメリカのフォルクローレの影響や情熱的な面も感じさせます。
そんなアンドレオの合唱作品の中から、今回はいくつかの宗教曲をご紹介させていただきます。
マリアを篤く信奉するスペイン・カトリックの雰囲気に溢れ、滑らかで美しい旋律と和音が合唱愛好家の美意識に訴えるこれら多様な宗教作品は、小さな合唱団から大規模な合唱団まで、日本の合唱団にとってもよいレパートリーとなることでしょう。
●タイトル 「Ave Maria gratia plena」
作曲者 ANDREO, Dante (アルゼンチン 1949〜)
出版社 CM-Ediciones
パナムジカコード FA2305
声部 SA
伴奏 ピアノ伴奏
言語 ラテン語
時間 2分46秒
女声(同声)のためのこの「アヴェ・マリア」は短く平易ですが、とても伸びや
かで美しい作品です。
ピアノ伴奏が付いていますが、ア・カペラ演奏も可能でしょう。一部声部が分か
れますが基本的に2声で、初めの部分はカノン風。テキストの前後半を繰り返し
で同じ旋律で歌いますから「初めてのラテン語、初めての宗教曲」に最適の作品
といえるでしょう。